SKB

SKBについて


SKBの歴史

SKBは1977年、デーブ・サンダーソンとスティーブ・コットマンの二人によって設立されました。もともとはカルフォルニア州の小さな町、アナハイムのガレージでギターケースを作るところから始まり、今ではポリマー樹脂製の運搬用ケースの設計・製造を行うリーディングカンパニーにまで成長し、SKB製品は広く世界に普及しています。真空成型、回転成型、射出成型等の工程により製造されるケースは、あらゆる業種で用いられ、楽器やPA機材用のみならず、軍事、工業、医療といった様々な現場で活躍しています。またコンシューマー向けにも様々な電子機器やスポーツ用品を持ち運ぶ為のケースを生産しています。長く愛され続けたSKBのロゴは、この30年間、同社が品質に一切妥協することのなく、最高の耐久性を誇るケースを製造してきたことの証です。

1973年
起業家のスピリット

スティーブ・コットマンとデーブ・サンダーソンは、ロングビーチ州立大学在学中に所属していたボート部で出会いました。駆け出しの頃は、スティーブの両親のガレージで、ミュージシャンの友人達のためにギターケースを作っており、使用した真空成型の装置も手作りによるものでした。コットマンは後にこう語っています「実はデーブが所有していたDatsun 240Zから真空ポンプを抜き取って真空装置に使ったんだ。」。

1976年
サンダーソン、コットマン、ブラウン(三人の頭文字を取ってSKB)

SKBという社名は、設立に携わった三人の頭文字をとって命名されましたが、この「B」にあたるのがダグ・ブラウンです。彼は地元楽器店のオーナーで、コットマンとサンダ―ソンが彼らのケースを持ち込んだ際に、二人の事業に投資することを提案しパートナーとなりました。ブラウンの投資はなかなか結果に結びつきませんでしたが、コットマンとサンダーソンは大学を中退し、ブラウンの倉庫の裏にある小屋に機材装置を移設、新たな作業場としました。作業場には窓もなかった為に、気温が48度にまで到達することも稀ではなく、「the pig hole」という呼び名にふさわしいものでした。ほどなくして、作業場の移転を余儀なくされることとなりました。

1977年
炎に包まれて

「私の集中力はすぐに切れてしまうんだ。」コットマンは作業場が炎に包まれた日についてこう語っています。「真空成型機を運転していたある日、考え事をしていた私は機械を運転していることをすっかり忘れてしまい、そのまま現場を離れてしまったのさ。戻った時にはすべてが焼き尽くされ、煙だけが立ち上っている状態だったんだよ。」こうして、一度は全てを失った二人ですが、再びコットマンのガレージに戻り、会社を立て直す決意を固め奮起しました。サンダーソンとコットマンは、ありったけのお金をかき集め、カルフォルニア州オレンジカウンティーに小さなショップを構えました。また、楽器用ケースの他に、新たにマイクのウィンドスクリーンの生産もスタートさせました。

1979年
飛躍のきっかけはフェンダー

地道にケースを作り続けた二人に転機が訪れたのは、1979年。フェンダー社への売り込みが功を奏し、アニバーサリーエディションのストラトキャスター用ケース2500個分を製造するチャンスを得たのです。しかし、FENDERからの受注を請けるためには、50,000ドルの資金を調達しなくてはならないという大きな問題が立ちはだかっていました。自分達だけではこの問題を解決する事ができず、二人はそれぞれの両親にビジネスプランを説明して援助を求め、両親達の合意を得ることができました。こうして両親の家を担保に資金の調達を行い、飛躍のきっかけを手に入れることができたのです。

1983年
一週間で600ケース

それから数年、SKBはフェンダー社のケースを独占的に製造することとなりました。そして1983年には、従業員20人でフェンダー社のケースを一週間に600個製造していました。その頃のコットマンとサンダーソンは配達業務に追われていましたが、ケースの製造は相変わらず、二人が組み立てた機械で行われていました。

1987年
軍隊用ケース市場への参入

フェンダー社からの注文が売上の半分を占める中、一か月で20万ドルを売り上げるまでに成長したSKBは、オレンジカウンティーに敷地面積3700平米超の工場・設備を建て、生産の拠点を移しました。また、更なる成長を視野に入れ、資本金を増やし、新たなケース市場の開拓に乗り出します。こうして軍と契約を交わすだけでなく、医療機器やコンピューター、レーザー用のケースにも着手、大幅な成長を見込める分野に新規参入しました。

1990年
スポーツ部門の設立

それまで未開拓だったスポーツの分野にも製品を提供するようになったきっかけについて、サンダーソンは次のように話しています。「モンタナ州の男性が、楽器店でSKBのキーボードケースを購入し、ライフル用に転用していることを知ったんだ。」 1990年末には、従業員数も170名にまで増え、ゴルフクラブ用のケースだけでも8000個以上、全生産量は金額にして一月100万ドルになるまでに成長しました。

1997年
新たな施設

従業員数が500人を超え始めたこの頃、カルフォルニア州オレンジカウンティーに巨大な回転成型炉を3基配した、第4の工場が建てられました。この工場より、強度と耐久性に優れかつ軽量のドラムケース、ラックマウントシステム、チェロ等金管楽器の用ケースから産業用コンテナまで、革新的な新製品が次々と誕生することとなります。

1998年
Entrepreneurs of the Year賞

1997年、スティーブ・コットマンとデーブ・サンダーソンの二人に、優秀な企業家に与えられる「オレンジカウンティー年間最優秀企業家」の称号が授与されました。

2000年
4機目の回転成形炉

マーケティング・広告部とミュージックセールス部門を設けたことにより、代理店及びエンドユーザーとの効率的で密なコミュニケーションが可能となりました。また、増え続ける需要に対応するため、数百万ドルをかけ、4機目の回転成形炉を導入することとなりました。

2002年
厳しい軍隊用スペックにも対応

要となるスタッフを増員することで、SKBの産業/ミリタリー部門は更に強力なものとなりました。こうして、移動や運搬の際の厳しいセキュリティー基準をクリアする、軍専用の製品ラインも開発されました。

2004年
新たな射出成型装置の導入

オレンジカウンティーのメイン工場に射出成型(インジェクションモールディング)の装置が導入されました。これにより、ラップトップから海洋研究に用いられる機材にまで用いられる、新たな防水仕様のケース、Iシリーズが誕生しました。新しいケースの生産能力により、ミリタリー、楽器・音響機器、スポーツ、全ての分野が更なる発展を遂げる事となります。

2005年
$1500相当のコンテンツ

マーケティングの改革によりSKBブランドは高く認知されるようになりました。世界中の楽器店の店頭でキャンペーンが行われ、ディスプレイには常に新しいSKBの製品が並べられるようになりました。業界内で広告が展開され、SKBは世界有数のプレミア・ケースメーカーである、というメッセージが多くのユーザーに届けられました。

2006年
TSA認証ロックの採用

SKBはTSA、米国運輸保安局により認可を受けたロックシステムを、殆どの空輸用ケースに採用した唯一のケースメーカーとなりました。このロックを採用する事により、空港でのセキュリティチェック時に簡単にロックを外し、検査が終わったら再びロックする事が出来るようになりました。

2008年
インジェクションモールディング技術のさらなる拡張

SKBはインジェクションモールディングの技術を更に発展させ、高い生産効率で省電力型の、米国でも最大級の装置を導入します。この新しい装置により、各分野において、さらに革新的な新製品を開発、しかもコストを掛けずに生産する事ができるようになりました。

2009年
カスタムフォームショップ

ウォータージェットマシンや、バンソー、スリットソーといった各種加工機器、そして150トンもの巨大4ポストプレス機を備えたカスタムフォームショップを設立。ケース内に入れるフォームのカスタムリクエストにも対応出来るようになりました。